あふれるほどの愛を


「やばい!ネイル剥がれたーぁ」


「うそ!やり直すからここ座って!」


待ち合わせまであと1時間しかないのに、まだ愛華の家で準備中。


浴衣を愛華に着せてもらい、ナチュラルメイクもしてもらった。



「ネイルオッケー!次は髪。アイロン温めといて」



アイロンを温めている間に愛華はささっと浴衣に着替えて、メイクも済ます。


「優心っ!スプレーとって」



3分もしないうちに、お団子を完成させた。


「うわーっお団子。早すぎでしょ」



愛華はサイドにお団子を作っておそろいでかったシュシュをつけた。



「準備完成ー!」



「これ、あたし…?!」


「そうだよ、優心だよ」


「ありがと愛華。頑張らなきゃ…!」


「頑張ってもらわなきゃ困るっての」



「やばい!あと10分しかない!浴衣に下駄じゃ走れないし。諦めて歩いて行こ」




カランコロンと下駄の音を響かせて駅前の時計の前に向かった。



「坂井ーーー!!」



時計前には私服姿の坂井がいた。


その姿をみて、浴衣を着ていることを忘れて走り出す。



「うぉ…!浴衣で走んなって」


「だって!嬉しんだもーん。」


えへへッと笑うあたしに坂井の頬がほんのり赤くなった気がするけど、あたしの気のせいだよね。



「あれ?先輩いなーい」



「先輩なら遅いって言いながらジュース買いにいったよ」



「うそ〜!!」



愛華は1人でジタバタしてる。


しばらくすると小走りでこっちにくる男の人が見えた。



「あの人が先輩だよ」


ってこっそり教えてくれた。



一言でいうとイケメン。



目がすごく優しくて、もちろん性格も良くて、愛華にぴったりだと思う。



自己紹介を終えると、電車に乗り会場に向かった。



電車の中でも会場までの道のりも坂井は一言も話さなかった。




なんで……?




嫌われちゃった……?




そう思ったら坂井の服の裾を掴んでた。



「ん?愛川どした?」


それに気づいた坂井が振り向く。


「い、いやなんでもない!」



「そうか?」


そう言ってまた歩き出す。




前には仲良さそうに歩きながら話す、先輩と愛華の姿。



上手くいってよかった、、、。



「着いたね!」


「あぁ」



冷たい!


態度が冷たすぎる!



あたしなんかしたのかな…?



不安だよぉ……。



それから4人でかき氷食べたり、ヨーヨーをつったり楽しんだ。



「うちら、行くねー!」


「え?ええぇぇー!!??」



あたしの声に振り向くことなく愛華たちは人ごみに消えてった。



「行っちゃったね…」


「だな」



「「…………」」




無言がさっきから続きています。。