「サンキューな!俺が目ぇ覚めるって信じてくれて」



「あたしが信じなきゃ誰も信じないじゃん、ねっ!」


ニコッと笑みを向ける。


「だからその笑顔反則なんだって」



「えっ?」


ぼそっといった言葉はあたしには聞き取れなかった。



「いや、なんでもねぇよ」


「なんか事故にあって性格変わったんじゃない?俺様が進化したみたい」



「俺がおかしくなったって言いたいわけ?」


「別にー」


あーもうっ!

なんで可愛くない言い方しちゃうんだろ…。



「愛川さ、俺が退院したら行きたいとこあるんだ。一緒に来てくれるか?」



「しょーがないなぁ。今度は約束守ってよ!」


「あぁ。まかせろ」



それから他愛もない話をした。



学校のこと。


ドラマのこと。


溜まってたことすべて話した。



「あっそうだ!お祭り明日なんだけどさどうすんの?」


「前から約束してたしな。主治医の先生に頼んでみるか。外出オッケーもらえなかったら、こっそり抜け出すしかねぇな」


「そうしてもらう!愛華が好きな先輩みたいし」



「俺と行けるのが楽しみじゃねぇのかよ」


「楽しみだよ?いっぱい買ってもらうからね」



「それが本音だな」



「明日、また来るからね!ちゃんと頼んでおいてよ!」


「おぅ!じゃーな」



病院を出ると愛華の家に向かった。


明日の計画を立てるんだ。



「いらっしゃーい!」


チャイムを鳴らすと、元気な声が聞こえた。

「テンション高すぎでしょ!」


「それはお互い様でしょ?ま、上がって上がって」



「じゃーんーっ」

部屋にはいるとテーブルの上には化粧道具が広がってた。

「うわっ。本格的なやつじゃん」


「化粧と髪はオッケーだからあとは浴衣ね」


「うん!ちゃんと持って来たよ」


「じゃ買いに行こーっ!」



浴衣着たら、坂井可愛いって言ってくれるかな?



そんなことを思いながら大きなショッピングモールに向かう。