坂井が事故にあって
もう25日が過ぎた———。


ーぶるぶる。


メールを開く。


そこには一件のメール。


『春樹が目を覚ましたって。
俺、昇降口で待ってっから優心ちゃんも来て!』



長瀬くんからのメールだった。

所々、間違いがあった。


お腹がいたいといってなんとか教室を出ることができたあたしは昇降口へと急ぎ足で向かう。



「長瀬くん!!」


「優心ちゃん!タクシーよんだから校門行くよ」



タクシーの中はやけに静かだった。



坂井がどうか無事でありますよーに。



タクシーが病院に着くと、真っ直ぐに坂井のいる病室へと向かう。


「坂井ーーー!」


ドアを勢いよく開けた先には、まだ頭の周りをぐるぐると包帯はしてるけど、ベットを少し高くしてにかっと笑う坂井の姿があった。



「愛川…そんな顔すんなよ」


「だ、だって…!坂井が起きてる!
もう、目覚まさないかと思ったよぉぉおおー」


「ふっ。大げさだな、愛川は。俺はそう簡単には死なねーよ」



そう言って坂井は頭をポンポン叩いた。



嬉しさで布団に涙がこぼれていく。



「俺なんかの為にそんなに泣くなよ…」



「涙が止まらないんだもん…!よかった、本当によかった」



泣きながら笑った。


すると、坂井も笑ってくれた。



神様……



————ありがとう。