ねぇ、坂井?
今、どんな夢をみているの?
待ってるよ、坂井のこと待ってるんだよ
信じるものもない。
暗闇の中でひとりぼっちだったあたしの心の中に土足のまま入り込んだのは坂井だけだった。
両親だって、一ミリもあたしの心に入って来たことはなかった。
一度裏切られ、信じることに怖さを覚えた。
信じることの難しさを知った。
どんな言葉をかけられたって信じることができなかった。
輝いてた世界が裏切りひとつで変わってしまうことも知った。
モノクロの世界であたしはずっと過ごして行くんだと思ってた。
そんなとき、坂井に出会った。
あなたの瞳は、なにか寂しさを抱えてた。
そんな君があたしを変えてくれたんだ。
明るいところへ引っ張っててくれた。
坂井には、助けてばっかりだったけど、
今度はあたしがあなたに返したい。
ねぇ、もらってばっかりはやだよ。
あたしだって坂井を支えたい。
気持ちを伝えたい。
『好きだよ』って。

