「一日ってこんなに長いっけ?」


「ふははッ。優心ちゃん抜け殻みたいになってるよ。大丈夫?」


放課後、あたしの教室にてお話中です。


「なんかつまらないんだけど」


「1人いなくなるだけでこんなに静かになるんだな」


「ほんとにそう思う。坂井目覚まして欲しい!ねぇ、長瀬くん」


「はーい?」


「神社行かない?坂井が起きますよーにってお願いしに行こうよ」



「賛成!決まったら行くぞ!」



自転車に乗り来たのは願い事が叶うと噂されている神社。


縁結びで有名なところなんだけどね。


「俺、縁結びの神社行ってこよー」



そう言う長瀬くんの腕を引っ張る。


「ちょっと!縁結びは後で!こっち来て」



お金を入れて手を合わす。



願うことはただ一つ。




“坂井が目を覚まして元気になりますように——”




長く長ーく手を合わせた。



目を開けると、隣には長瀬くんの姿は縁結びのほうにいた。



「ちゃっかり絵馬まで書いてんの?」


「絵馬書くとご利益が一気に上がるって書いてあったからさ」


指差すほうに目を向けると確かにそう書いてあるけど。あるけどさ!


「じゃ、あたしも書こーっと」



絵馬を買ってこう書いた。



自分の気持ちを伝えられますよーに。

Y.A



「よーしっこれで完璧だな」



絵馬を飾り、ちゃんと祈って神社を後にして病院へ向かった。