酸素マスクに、色々な機会が動いてた。
包帯もあちこちに巻かれていた。
何度呼びかけても肩を叩いてもびくともしない坂井の体。
「坂井!ねぇ、坂井。
昨日約束したよね、秘密の場所でお昼食べようって。坂井はさ約束守ってくれるんだよね?そうだよね?返事してよぉぉぉおー」
思いっきり肩を揺らしたけど、起きなかった。
「大丈夫、春樹は絶対目を覚ますから」
先生と話ししてくるといって病室を出て行った。
絶対…なんてなんで言い切れるの?
実際、坂井の周りには機会ばっかで。
これで、なんで…
「絶対って言い切れるのよ…っ!」
堪えてた涙が溢れ出した。
ポタポタと静かに涙はこぼれだして、布団に染みていく。
坂井の声…。
坂井の笑顔…。
聞けなくなるの?見えなくなるの?
そんなのやだよ……
バーカって昨日みたいにいってよ、
ねぇ、目を覚ましてよ!
布団の中から、坂井の手を握りしめた。
「坂井…っ」
その姿を長瀬くんは悲しそうに見てた。
きっと、主治医さんになにか言われたんだろうね。
泣いているあたしを長瀬くんは涙を堪えながら見てた。
それは、あたしは知らない。

