「もしもし」


電話をかけると少し眠そうな愛華の声が電話から聞こえた。


「あのね、坂井お祭り誘ったら、オッケーだったよ」


「ほんとぉ〜。よし、じゃ気合いいれていこうね」


なんか、愛華のテンションあがった。



「どーしてあたしまで?」



「優心は坂井くんに可愛く見せたいとか思わないわけ?」



「でも、それは見せたい…かも?」



「なんてハテナ?」


「なんでだろ…?」


「優心寝ぼけてんじゃないの?」


「寝ぼけてないしっ。今、学校にいるんだから」



「はやっ。まだ、7時なったばっかだよ」



「だって楽しみなんだもーん♪」



あのあと、何度もなにがなにが?ってしつこく聞いてきたけど、あたしは口を開かなかった。



こんなウキウキしながら学校きたのって何年ぶりだろ…?



☆★☆


4時間目が終わって、みんな机を合わせ始める。


あたしは、教室を出て坂井より一足早く屋上に向かった。


「ふぅーー」



やっぱ、屋上はいいねぇー。



坂井遅いなぁ……


10分たっても、20分たっても。


坂井がくることはなかった。



坂井のクラスを勇気を出して見てみたら長瀬くんは手を振ってくれたけど、いつもその横にいる坂井の姿はなかった。