そして、今はお昼休み…。
あたしには試練がある。
そう!坂井をお祭りに誘うこと。
クラス同んなじなら、いいのに…。
よしっ!坂井のクラス行きますかっ!
っと言ったものの、クラスの前を通ってそのまま屋上に来てしまった。
「なにやってんだろ」
「あたしのバカッ」
「バカなのはしってるつーの」
ん?
「さ、ささ坂井?!」
「よお!」
「なんでここにいんの?」
「俺、階段の掃除させられてたの。それで愛川が階段登ってくの見えたからさ」
「なんでお昼に掃除?」
「今日宿題忘れちゃってさ、担任の教科だったからお仕置きみたいな?」
「バカは坂井だね」
「宿題忘れたのはたまたまだからな。お前にバカとは言われたくない」
「別にいいけどさー」
ーキーンコーンカーンコーン
「あー予鈴なっちゃったな。戻るか」
「戻らない」
「はっ?」
「今日は、サボりたい気分なの。だから坂井戻れば?」
「どーしたんだよ、サボるなんてなにかあったのかよ」
「なにもないよ。でも、いい天気だし空みてるのもいいかなって」
「じゃ、俺もさぼろ」
そういって坂井は寝っ転がった。
「ねー坂井お祭り行かない?」
「お祭りの時期はとっくに過ぎただろ?」
「そーなんだけど、ここから少ししたところで今度お祭りあるんだ。一緒に行かない?も、もちろんふたりじゃないよ??!!」
「いいけど、だれと?」
「あたしらと、愛華と愛華の片想いしてる先輩の4人」
「ダブルデートみたいだな」
「愛華ね先輩のことすごく好きなんだって。中学の時ももててたけど好きな人とかいなかったし。愛華の恋叶えてあげたいなぁって」
「愛川って本当はすげー優しいよな。無理してないか?」
「正直わかんない。信じるってなんなのかも」
「俺だってわかんねぇよ。でも信じるっていったからってすぐ信じられるわけじゃない。俺も信じることは当たり前のことだと思ってた。自然に。でもどんな形でも裏切りを経験したらそんな風には思えないよな。俺もたまに思っちゃうんだよ、信じることの先にあるのは裏切りだけだって」
「坂井も?」
「あぁ。裏切られたらだれの言う言葉も綺麗事に聞こえるけど、信じるのも、信じないのも自分。裏切られたってことは事実だし変えることも出来ない。けど、信じられる相手に出逢えることができたら、その時また心の底から信じることができるんだってそう俺は思う。」
「あたし、裏切られてよかったって思ったことなかった。失ったものたくさんあるのに得たものなんてなかった。あたしバカだからさだれでも信じてた。あの頃は純粋だったから、裏切りなんて知らなかったし」
「それくらい愛川は一生懸命だったんだな」
「過去はつらいことかもしれないけど消しちゃいけないもんなよな。俺も過去がなかったらって思ったりしたし、過去が今を苦しめることだってあるかもしれないけど愛川と海行ったことも出会えたことも過去だからな。過去のおかげで向き合えたこともあるし。過去が教えてくれたことだってある。」
「あたしね、愛華に言われて、命捨てようとしたの。」
「えっ…」
「誰の言葉も信じられなくて、毎日苦しくて道路に入ったことだってあった。なのに毎回タイミング悪くてさ。大切な人に裏切られるだけで、こんなにも世界が変わって死にまで意識させちゃうなんて裏切りは怖いもんだよね。なんで人は裏切るんだろ」
「自分が一番大事だからな。自分を守るために人を裏切るんだろうな。」
「だね。でも、あたし自分以外に大切な人に逢えたよ」
「俺?」
「バカじゃないの!」
「ハハッ。冗談だよじょーだん」
ま、坂井も大切な人の1人だけどね。
ぜーったい言わないけど。

