「なんで、優心が坂井くんの気持ち分かるの?」




もういいよね。全部話したって。





「もう、あの時の家族はない。今は仮面家族みたいなもんなんだ。自分の家族をこんな風にいうのはおかしいけど、偽家族だよ。他人みたいな。捨てられないだけいいのかもしれないけどね」



あははっと笑いをこぼす。



愛華のほうに目を移すと信じられない光景があった。




「なに泣いて…」




愛華の目からは大量の涙が次々と溢れていた。




「嘘でしょ?嘘だって言ってよ!ねぇ!優心っ!」




なんで、愛華が泣くのよ。


やっぱりねって笑ってよ。


ねぇ……っ!



「関係ない愛華がなんで泣くの?」




すると、鳴き声がぴたりと止んだ。




「関係ない?ばかじゃないの!こんなこと1人で抱えて。泣きなよ。気が済むまで泣きなよ」




「ばか?そんなこと言われたくないんだけど。泣けない。涙なんて出ない。あいつらの為なんかに涙は出ない…!」





「強がるのいい加減やめなよ!泣くの我慢してたら、いつか自分壊れちゃうよ。自分だってわかってるんじゃないの?気を抜いたら壊れるとこまできてるってことくらい」




「出ない。涙なんてでない」




「優心…っ!」




次の瞬間あたしは、温かな体温に包まれた。





「うちにこんなことをいう権利はないけど、力になりたいよ。離れてた分だけ、優心の辛かった時間も半分個したい。いつか、優心と楽しい時間も半分個できる日まで、笑顔になれる日までずっとこの先もずっとずっと優心といたい。
離れてた時間も、うちが優心を裏切ったことは一生忘れなれないし、消えない事実ってことは、分かってる。でも、それを超えられるなににもかえられない日々を共に過ごしたい。裏切ったことは決してなかったことにはしない。だって、そこから、学んだこともあるし同じことを繰り返えすこともないでしょ?」


「ばかみたい。あたしなんかのためにをこうやって一生懸命になって語ったりするなんてほんと…なんていうか、愛華らしいっていうか、

ありがとう、愛華」



ニコッと最高の笑顔を愛華にいっぱい向けた。



「うちは信じてた。またこうやって優心と会えるんじゃないかって。ずっと星に向かって願い続けてた。いつか愛華にあって気持ちを伝えられるように…って。
それが願っただけで、嬉しいことなのに、こうやって隣にいれることができて夢をみているみたい。神様に感謝しなくちゃだね」



そんなことをいうもんだから、おでこにデコピンしてあげた。




「いたっ」



「夢じゃないっしょ?てか、夢じゃ困るんですけどぉー?」




「もうっなんでそんなに可愛いの〜
改めて言わせてよ。

こんな私だけど、もう一度チャンスをください。」


乱れてもない服をわざとらしく整える。




そして深く頭を下げる愛華がなにを思っているのかなぜかわかった気がした。