「あーそれは、これ着たの」



バックから出したのは、ロングコート。



ロングコートって今そんな時期じゃないと思うんだけど?


ってきこうとしてやーめた。



愛華のことだから、予想してたんだろね。色々とさ。



「これ来て制服を隠したらぜーんぜん平気だった」




愛華の行動ぶりに驚きを隠せない。





「仮病してなんかあった?電話も出ないくらい、メールに気づかないくらいなんか悩みあるの?」





ん?メール?





「メールって朝に来た?」



「そうだけど」




あたしってば、メールを見ようと思ってスマホを見たのに画面に写ってた時間にあまりにもびっくりして忘れてたんだ。





あのメール、あたし、すっかり…




「違う人からのメールだと思った?」




次の瞬間、愛華があたしの思ったことをさらっと口にする。




「そ、そそそんなことないじゃんっ!!」





じぶんのばかっ!



そんなに焦ったらそうだって言ってるのも一緒じゃないっ!




「坂井からなんて思ってないからぁ!」




「坂井?うち坂井くんなんて言ってないけど?」



や、やってしまった……