「でも最近は春樹らしくなってきたっていうか。本当の笑顔になったような。それは、大切な存在を見つけたからだろうなって思うんだ」



ドキンーー



「大切な存在…」


胸がなんかもやもやした。



誰かが、坂井を変えてくれたってこと?


涙が出てきそうになったとき、長瀬くんが話を振ってきたから、涙を流さずにすんだ。



「優心ちゃんは、春樹のことどう思ってんの?」


話を振ってくれたのは、いいけどその質問は……。



「どうって…」


「友達…?」



「坂井がいるのは当たり前で、辛いとき、寂しいとき坂井に会いたくなる」



「でも、一緒にいると周りにいる女の人が坂井見てるんだ。どこにいても注目浴びちゃう。それみると、胸が締め付けられるの。病気なのかな…?」




そう言うとあたしを長瀬くんはにやにやしながら頷いていた。




「ねぇ優心ちゃんは、初恋っていつ?」



「えぇぇぇー?!」



大声を出すあたしをしっーと止める。




「ご、ごめん」


「平気!で、どうなの?」



「初恋は…まだかな」



「やっぱりかぁ〜」


うんうん、と1人納得してる長瀬くんを見てポカンとする。