あふれるほどの愛を


この痛みはなんなの?

「ねぇ優心?うちの事嫌い?」

急に直球な質問を投げられ、答えに詰まる。

なんでそんな質問してくるの?

「…嫌いじゃない」

考えた結果、そう答えた。

今、好きと言ったってそれが本当なわけがない。

嘘を言うくらいなら相手を傷つけることになっても本当の気持ちを言う。だってそんな嘘ついたってまた二人の距離が離れて行くだけだと思うから。


「優心からそう聞けてうれしい。一つ聞きたいんだけど、その『嫌いじゃない』が『好き』に変わることもある?うちの頑張り次第で」


それは…

愛華があたしの信頼を取り戻そうと行動を移してくれたら、

「変わるかもしれないね、絶対ではないと思うけど」

きつい言葉かもしれない。

変わるよとだけ言ってあげればよかったのかも知れない。

でも、それじゃあだめだと思ったから。

きつくなっても、本当の言葉で、嘘のない言葉で言ったほうが相手のためにもなるだろうから。


「…そういってくれてありがとう」

「いいえ」


さっきの胸の痛みの理由分かっちゃったかも。

言葉1つ1つに重みを感じるんだ。

前、仲良かったころはこんな固い言葉は使わなかった。

そういうのに、感じたこともない距離を感じるからだ。

そう思うと、仲良くなるのは無理なんじゃないって考えちゃいけないことも考えてしまう。

そうさせてるのはふたりが離れてた時間。

その時間に色々な事が起こった。

辛いことも苦しいことも悲しいこと、楽しいことだって嬉しいことも。

その瞬間はもう戻ってこない。


この気持ちいや不安どうしたら消えてってくれるの??