「うちも、会わなければ良かったのかもって思ったりもした。会わなければ自然にふたりの中からうちたちの思い出がきえたのかなっとも思ったんだけどさ、そんなの無理なんだよね。楽しかった日々を消すなんて。
優心はさ、うちとこういう風に会ったこと後悔してる…?」

最後の方がかすかにだけど、震えてた。

それはあたしの勘違いではない。

「うちは、後悔してないよ」

口を開こうともしないあたしに愛華が先に言った。

「あたしは……」

「正直に言ってよ。遠慮する仲じゃないでしょ?」

「後悔してた。なんで今頃あたしの前に現れるのって」

「うん」

「でも、今はもうそう思ってないよ」

「そっか。うちのしたことは何回謝っても許されることじゃないってことはわかってる。うちといたって優心が苦しむことだってわかってる。もう一回優心に信じてもらおうなんてうちのわがままだってこともちゃんとわかってる。だけど、もう一回優心と一緒にいたい。優心の信頼取り返せるように頑張りたいんだ。簡単には信じてもらえないことは分かってるけど1からもう一度始めたいんだ。だめかな…」


涙を我慢しているのか瞳がうるんでるように見える。

そんな風にされたら……



いや、でも。
また裏切られるかもしれない。

体が警報を出す。

あたしは、どう思ってるの?

自分の気持ちが分からない。

どうしよう…。