こういうときに離れてた時間の重みを知る。

思っちゃう…思いたくなくても。


やっぱりもとの2人には戻れない。

生まれた距離は縮まることらできないんだよね、やっぱり。

愛華といると、いつか、また同じことになるんじゃないかってことが頭から離れない。

坂井に言われたとおり、疑いの二文字が頭から消えてくれない。


一度、どんな理由があったとしても、裏切られたことは確かで、それは消えない事実。


やっぱり信じるのが怖い。

信じようとすると体が警報をだす。

“信じちゃダメだ”

“また裏切られる”

って。

あたしはどうすればいいの?


まるで、自分がゴールの見えない迷路に入り込んでしまったよう。


答えが見つからないーー…。


あたしは、どうしたらいいの?


あたしの傷は…あの日負った傷は消えることを知らない…。



「…あっ!ゆあ!優心!」


名前を呼ばれ、はっとする。


「はっ!ぼーとしてた」

「ふふ。優心、変なのー!」

「ごめん、ごめん」

完全に自分の世界に入り込んでた。