あふれるほどの愛を


角を曲がった時、人影が見えた。

不審者…?

とも思ったけど、違うみたい。

恐る恐る、近づく。

「やっぱ来た」

この声は…

「坂井!?なんで、ここに?」


ここから、坂井んちまでは結構距離がある。


「ちょっと、散歩。…なんてな、本当は愛川のことが心配だったわけ。でも、思ったより元気そう…ってわけでもなさそうだな」


バスに乗った時までは元気だったんだけど、坂井に会いにいこうと思ったら、なんか強張ってた体がすっーと軽くなって。

本当は、すごく緊張してたんだ。


「な、なに泣いてんだよ?俺に会えてそんなに嬉しのか?」

「うっ…っ」

「泣けよ。よく頑張ったよ、だから、たくさん泣け。俺がずっといてやるからよ」


そんな言葉にあたしの涙腺は壊れた。

ボロボロと流れる涙。


止まることなく流れてくる涙。


どうして涙が出てくるのだろうか?

愛華に会えて嬉しかったから?

坂井に会えたから?

それとも…


今まで我慢して来た愛華への気持ちの入った涙?




たぶん、涙の答えはすべてだと思う。