そして、次の瞬間斜め前にいる愛華が急に走り出した。
手を掴まれてるあたしもそれに引っ張られるようにして走る。
ってか、あたしどうしたんだろ?
思ってることガツーンという!って思ったのになんかその気にならない。
…ならない。
ふいに、手首を掴む愛華の手が緩くなったと思ったら。
「ここなんだ。このカフェのオムライスが美味しんだって。優心オムライス大好きでしょ?」
えっ…?
覚えてたの…?
あたしがオムライス好きだって。
そんなの覚えてたってなんにもならないのに。
でも、 昔遊んでた時はよく、オムライス食べてたんだっけ?
パスタかオムライスか、喧嘩してたっけ。
「優心…?」
「え?あっ、ごめん…」
「いいけど、もうオムライス嫌いになっちゃった?」
「ううん。まだ好きだよ」
「よかったー。じゃ、入るよ」
入る前に後ろを振り向くと、さっき待ち合わせした噴水は見えなくなってた。
そして、、、
目の前にあるオシャレなカフェに足を踏み入れた。

