待ち合わせ場所は、駅前にある噴水の前に11時だ。
あと、5分もすれば、そこに着く。
スマホを取り出し、時間をみるとまだ12時まで30分もある。
このまま行けば35分には待ち合わせ場所に着いてしまう。
残りの25分あたしはなにをしてればいいの?
***
トントンーー
急に肩を誰かに振り返るとそこには愛華が立っていた。
久しぶりに見る愛華。
肩までだった髪が胸したまで伸びて大人ぽくなっていた。
「久しぶりだね、優心」
「う、うん…」
ど、どうした?自分…
「あの、まだ待ち合わせまで20分以上ももあるのに…どうして…」
気になったことを口に出す。
「本当はねうちさ優心に会えるって思ったら楽しみで一時間目前にはもうここに着いちゃってたんだよね」
「そうだったんだ…」
「うん!ここに居ても暑いだけだし中に入ろっかぁ?うちオススメのカフェがあるんだ。優心が良かったら行かない?」
戸惑いを隠せないあたしに対して変わらない態度で接する愛華。
「いいよ」
そう返事すると、急に手首を掴まれた。

