「俺、優斗に聞いたんだよ。愛川の心友だった、愛華ちゃんだっけ?その子にメアドとかが書かれた紙を渡されたんだって。愛川に渡してくれって。ずっと、渡すタイミングを探してたんだけど、言い出すことが出来なかったって」
「なんで?」
渡せる気になれば、いつでも渡せたはずなのに。
「心友の話しする時、悲しい顔する言ってた。そんな顔見てたら言いだせなったって。それにその紙麻衣ちゃん捨てられたらしい。こういうのは自分で渡さなきゃだめだって言いながら」
麻衣ちゃんが…。
「でも、向き合わなきゃいけないよな。すぐじゃなくてもいつかは向き合わなきゃいけない日は来る。いつまでも、心友にそっぽ向いてるわけにはいかないから。…だからそろそろ付けなきゃな、決着を」
「決着……」
「そ。ずっとこのままって言うわけにもいかないだろ?愛川はずっとそのことで苦しんできた。縛られてきた。だけどそおろそろそんな自分離してやってもいんじゃない?」
ずっと縛られてきた愛華との過去からそろそろさよならしなきゃいけないんだ。
「あたし、自分がどうしたいのか、分からない」
「さっき、俺から逃げなかったじゃん?心友の事も頑張って向き合わなきゃな。あっちだって愛川と話そうとしてる、向き合おうとしてる。それなのに、愛川は逃げるのか?」
「怖い……」
とっさに出たのはこの言葉。
素直の気持ちだった。
愛華と向き合うなんて…出来るのかな?
なにを話したらいいのか。
どんな顔で会えばいいのか。
愛華にあったら、あたしはどう思うのだろうか。

