あふれるほどの愛を


あたしは、1人なんだ。

誰にも必要とされてないんだ。

そんなあたしがに坂井は俺が照らしてやる!とか言われたけど、そんなの無理に決まってる。


過去に縛られ、自信をなくしたあたしに価値はない。

増して誰かに助けてもらうなんてことはあっちゃいけないんだ。

一人で解決しなきゃ…


一人で耐えなきゃ行けないんだ…。


ーーガチャン

「なんで、俺の姿が見えてねんだよ!!!」

乱暴にドアを開く音が聞こえたと思ったら、次に聞こえてきたのは坂井の大きな声。

その声は部屋中に大きく響いた…。


今まで、こんな声聞いたことないような声だった。

「あたし、なにも言ってない…」

「自分で、気づいてねーの?
さっきのお前の心の声しっかり聞かせてもらったよ。ちゃんと声に出てたから」


は……?


「なんで、自分一人でなんでも解決しようとしてんの?」


「それは、あたしが「お前は一人じゃねーって、何回言わせればわかんの?隣が見えてないわけ?」


あたしが一人だから…って、言おうとしたのにその言葉を先に言われてしまう。


「見えるわけないじゃん!!」


「見えるわけないって、お前が周りを見てないだけだろ?周りにはお前を思ってくれる奴も、分かろうと思ってくれる奴いるんだぜ?それに気付こうとしてないだけ。結局は逃げてんの、お前のココと向き合うことを」


そう言って、あたしの心臓のあたりを指さす坂井。


坂井のココというのは心のことだろう。