ーードンッ

「くそっ!!」

近くにあった壁に拳を思いっきりぶつける。

悩んで悩んで全部背負い込んでる愛川に対してなにも、出来ない俺。

そう思えば思うほどイライラが募って来て。


こんなに腹が立ったのはいつぶりだろう?

俺は愛川を助けたいのに、
闇から救ってやりたいのに、
また笑顔の花を咲かせてやりたいのに、


なんて俺は無力なんだ。


様々な葛藤と戦ってる俺には分かるはずもなかったんだ。


愛川が泣いていたなんて…



気づけるはずもなかった。