「何いってんだよ…」
「あたしは、いらないの!あたしを必要としてくれる人はいないの!だからあたしは生きてる資格なんてないんだよ!!」
心の底にある気持ちを吐き出す愛川を俺はギュッと抱きしめていた。
「やっ、やだ!やめて!!」
駄々をこねる愛川を逃さないようにギュッと。
「やめねーよ!」
「離して!」
「離さない!!」
「なんであたしなんかのためにこんなにすんのよ!バッカじゃないの、あんた」
「バカでもなんでもいい。愛川が必要なんだ…俺には」
「あたしは、生きてちゃいけないの!」
「そんな人間いねーよ。生きてちゃ行けない人間なんてこの世に1人もいないんだ。たとえ、どんなに悪い人でもな」
「そんなの、綺麗事よ!あたしだって今までなんて言われても、いつかはいつかはって信じてきた。でも、それは嘘だって気づいたんだ。だから信じない!」
なにをいっても、反発する姿は愛川の心がどんだけ傷ついてるかを表してるよう。
「でも、今まで信じてきたんだろ?だったら、もう一回信じてくれよ…。俺はお前を裏切ることはしない」
「嘘!信じない!」
「泣いて言っても説得力ないんだよ…」
そう言って指先で愛川の目元を拭う。
拭っても拭っても溢れてくる涙。
その涙は止まることなく流れ、足元の石が色が変わってく。

