あふれるほどの愛を



愛川が離れないように、ギュッときつく腕を掴みながら、川から出て大きな石におっかかった。


「坂井…?」

かすれた声で俺を呼ぶ愛川。

「大丈夫か?」

俺のその問いになにも、言わない愛川。

「で、…たの?」

「え?」

「なんで、助けたの!」

「なんでって」

「あたし、もう限界なの。辛いの。消えたかったのになんで、助けたの?どうして…」

そういう愛川の顔はすごく辛そうな顔をしてて。


今にも消えそうだった__。