あふれるほどの愛を



「あそこの川辺は誰もいなくてよかったね~」

改札口を通り、電車を待ってた時、隣にいた中学生二人がそう話してた。

川辺か。

中学生がそこになにしに行くんだ?

夏だから暑いから水遊びとかだろうな。

川辺…、水…。


「ねぇ、川辺ってどこにあんの?」

気付いたら隣にいた中学生にそう聞いていた。

突然知らない俺に話しかけられ目をパチクリさせている二人。


「良かったら、教えてくれない?」


「あっ、あの、この近くにチューリップが沢山咲いてるところがあるんですけど、そこから細い道があってそこを通り抜けるとすごいキレイな川辺があるんです」

戸惑いながらも、教えてくれた中学生に「ありがとう」とお礼を言い来た道を戻った。