「はぁ、はっ」

両手を膝に当てて、呼吸を整える。

病院、愛川の家、愛川の行きそうなところは全部あたって見たけどいなかった。


「どこにいんだよ…」

ーーガタンゴトン


近くで電車が通る聞こえる音がした。

その時脳裏に浮かんだのは、たったひとつ。


愛川と一緒に行った、あの一面お花が広がってるお花畑だった。


愛川がそこにいるっていう証拠なんてないけど、なぜか俺はお花畑に足を進ませた。

『また、お花畑に行きたいな』


そう言ってた愛川の言葉を思いながら。