今も聞こえるドアを叩く音。
「ったく。しょーがないな」
そう小さく呟くとドアのそばまで行きドアを開けた。
「春樹、なんで優心ちゃんのとこいかねんだ?」
「それは…優斗には関係ねーだろ」
「関係なくねーよ」
「優心ちゃん、お前くるの待ってたんだぞ?もう退院したけどな」
「退院したんだ、愛川…」
「あぁ。お前、優心ちゃんにひどいこと言われたんだって?」
「なんで知ってんの?」
「お前の態度見てれば分かる。優心ちゃんが関係してる時だから、春樹がこうなるのはさ」
「優斗にはなんでもお見通しなんだな」
俺がそう言うと、当たり前―とニコッと笑った。