「お邪魔しますー」

「おかえりー!」

家に着いて、迎えてくれたのはおばあちゃん。

家に帰るのを、躊躇ってたあたしに家においでと声をかけてくれたおばあちゃん。

だから少しの間泊まることにしたんだ。

「入って」

そう言って家に入ると、まるで自分家のようだった。

階段を上りきると、3つのドアがあった。


「優心ちゃんこの部屋を使ってね」

そう指差したのは奥の部屋。

中に入ると、机とベットと小さな棚だけが置いてあってそれ以外はなにもなく自分の部屋よりすごく広く感じた。


抱えてた荷物を全部下ろし、床に座った。


「あたしは、これからどうすればいいのかな…」

小さくつぶやいたその声は消えてゆく。


あたし、結局逃げてるんだ。

家族からも。坂井からも。愛華からも。


向き合うことから逃げてるんだ。


でも、向き合ってなにか変わることはあるのだろうか……?


どーせ、あたしの気持ちなんか聞いてくれるわけない。