「カラオケとかは?」
少し考えた後に発されたのはその言葉。
「1人で?」
「ほら、いつも来てる子たちとさ行けばいいじゃん」
いつも来てる子たちって言うのは麻衣ちゃんや坂井、長瀬くんのことだろう。
「それは、、、」
「友達でしょ?」
「友達って何?」
あたしの言葉にびっくりした顔をする目の前の先生の顔。
だって、ほんとに分からないの。
友達って。
分からないんじゃなくて分からなくなったんだと思う。
あの日からずっと、ずっと。
「それはさ、一緒にいれば分かるんじゃない?友達って何かなって人それそれ違うと思うからさ」
「あたし、友達ってくだらないと思う」
「くだらないか。なんでそう思うの?」
優しい口調で話しかけてくるからかな?
あたしの口が自然に開くのは。
「う~んなんだろ?裏切られたから?」
「友達に?」
「心友」
「そうか。ショックだったんだ?」
「当たり前じゃん!その日から毎日つまらなくなって、笑顔は消えて、なにも楽しくなくて学校でその子にばったり会ったりするんだけどさそれがすごく辛くて授業さぼってずっと泣いてた。
だってさ、あたしはめちゃくちゃにされたのに、向こうは友達と笑いあってんだよ?すっごくむかついた」
「それくらい、その子が好きだったってことだよね。いや、まだ好きか?」
話を振られ、黙るあたしに先生は言葉をつづけた。

