「はぁ……」

さっきからため息しか出て来てない。

袖で涙を拭うと、頬をパンパンと叩き歩き出した。

「あれ?優心ちゃんじゃない!どうした?具合は大丈夫?」

目の前にはいつもあたしの病室にやって来る看護師さんだった。

「は、はい!」

目元が真っ赤になってるか心配でなんか目線が下にいってしまう。

「どうしたの?した見て」

「い、いやなんでもないですよ!」

「本当に?そうは思えないけど…」

「大丈夫です!」

「そう?なんかあったら言うのよ?」

「はーい!」

「よし!じゃ、私は行くね」

手をひらひらと振りながら曲がり角に消えてった。