あふれるほどの愛を



「そんなこと言っちゃだめでしょ?で、話はなんだったの?」

「水族館行こ!だってさ。でも…」

「でも?」

「帰り際の坂井がおかしかった」

「おかしかった?」

「あたしが待ってって言ったのに勝手に帰って言っちゃった…あたしなんかしちゃったのかな……?」

「平気よ。春樹くんそんな悪気はなかったんじゃない?それに優心ちゃんが春樹くんを気づ付けてるわけないでしょ?ほら、また悩むと大変だからさ。ポジティブポジティブ!」

トントンとあたしを勇気づけるように肩を優しく叩く麻衣ちゃん。

「うん…」

そんな麻衣ちゃんの行動にその一言しか言えないあたしがいた。

だって、どうしても不安が取れなかった。

そんなに優しい言葉をかけられても。

なんか突っかかるんだ。

昨日の事が何度も流れる。

それはきっとなにかあるんだって思っちゃうんだ。