「目を覚ましました!!」
そう麻衣ちゃんがいつもの調子で大きな声で言うと先生は乱れた息を整えながら言った。
「良かった…何かあったのかと」
それから聴診器を当てられ、ライトで目を見られたりされた。
「うん、異常はないね。でもあと二日間は念のため入院だからね」
「はーい」
「いい子だ。じゃ、何かあったらナースコール押してね」
「はーい!」
先生たちが出て行った病室はやけに静かに感じた。
な、なにか話してよ。
少し気まずい空気が流れた気がした。
――パン
「そーいや、愛川に話があるんだ…」
「なに?真剣な顔しちゃってさ」
両手をパンなんて叩くから何があったんだと思ったらそんな見たこともない真剣な顔しちゃってさ。
「あ!そうだ。あたし用思い出したから行くね!」
そう言って荷物をさっと持ちドアまで行く。
そして振り返って。
「また来るからね!メールもするからね!おっ先~」
そう言って出て行ってしまった。

