「ねぇ優心ちゃん。どうして自分の存在を否定するの?春樹くんすごく心配してたんだよ。もちろん私だってそう。優心ちゃんが起きなくて寂しかったんだよ?」
「麻衣ちゃん……」
涙でぐちゃぐちゃになった顔であたしをギュッと抱きしめる麻衣ちゃんの手からはたくさんの気持ちが伝わってきた。
「ありがとう」
「もうっ優心ちゃん大好きっ!!」
――ガラッ
「愛川!!」
「坂井!そんな息切らしてどうしたの?!」
「どうしたのって。起きたんだ。よかった、、、」
そう言って安心したかのようにクラクラ~とその場に座り込む坂井。
“春樹くんね、優心ちゃんが心配の事心配過ぎて大変だったのよ”
さっき微笑みながらこっそり言った麻衣ちゃんの言葉に坂井の姿を見てると納得できた。
「坂井!!」
あたしは少しだけ大きい声を出して、手招きした。
あたし、あんまり大きな声出すとあたまがズキンってなっちゃうからダメなんだ。
「どうした?また痛いか?」
「ううん。ありがとね、坂井」
「なんだよ、愛川らしくねーな。でもどーいたしまして」
少し顔が赤くなったのはあたしの見間違えだろうか。
……いや見間違えなんかじゃないね。
だって麻衣ちゃんが
「春樹くん真っ赤~」
ってからかってたから。
そんな坂井を見てあたしはぷはっと笑ってしまった。