「優心ちゃん!!起きて。起きてよ!!!ねぇ!」
静かな部屋に麻衣ちゃんが愛川を呼ぶ泣き叫ぶ声だけが響いていた。
次から次へと流れてくる麻衣ちゃんの涙は止まる気配はない。
どんなに声をかけても体を揺すっても愛川は目を覚まさない。
ーーガチャン
「麻衣ちゃん!大丈夫?」
麻衣ちゃんは椅子泣き崩れた、大きな音と共に。
それでも泣き止まない。
「優心ちゃん、、、」
涙混じりのその声はすごくさみしく聞こえた。
「麻衣ちゃん、大丈夫?」
少し落ち着きを取り戻してきた頃俺は麻衣ちゃんに声をかけた。
「あれ?春樹くんいたんだ?」
「え?もしかして俺の存在に今気づいた感じ?」
「うん」
「うんってひどいな」
「ふふっ。ごめんね。優心ちゃんが心配でさ春樹くんのメールが来たと同時に家出てきちゃった」
「そうなんだ。でも、目さまないんだよな愛川」
「何言ってんの!!目覚めるよ、優心ちゃんならね!」
その言葉に深く頷いた。

