「愛川!」

と呼んでも、肩を叩いても愛川はただ静かに寝てるだけ。

返事がないことにすごく寂しさ感じた。

俺は愛川が寝ているベットのすぐそばに行くと愛川の手を両手で握った。

お願いだから目を開けてくれ……。

そう願うがびくともしない愛川。

―――コンコン

いきなりドアをノックする音がして椅子から落ちそうになる。

「はい」

「まだ起きないですか?」

「まだ…ですね」

「そうですか。もうお帰りになりますか?もう5時なので帰らなきゃいけない時間なんですけど…」

気まずそうに言う看護師さん。

「お願いします!!!」

俺は深く頭を下げた。

「え……」

「ここに泊まらせてください!お願いします」

あたまを下げてるから分からないが、たぶん看護師さんは困ってるだろう。

でも俺は折れない。

愛川が目が覚めた時に俺が愛川の一番近くにいたいんだ。