あふれるほどの愛を


「どうぞ、お座りください」

すごく小さな部屋。

しんみりとした空気が部屋中に漂う。

「検査を一通りしましたが、なにも見つかりませんでした。過労とストレスが原因だと思います。愛川さんなにか悩んでいたことはありましたか?」

悩み、、、

今の愛川には抱えきれないほどあっただろう。

家族のこと…。

親友のこと…。


やっぱ1人で無理してたんじゃん。

なんで、俺気付いてやれなかったんだ。

悔しさだけがこみ上げる。

俺は気付かれないように膝の上で拳を作る。


「あったと思います」

「そうですか。今は安静してますけど、いつ目を覚ますか分かりません。1人だと不安だと思いますから、少しでもそばにいてくださいね。何かあったらすぐ呼んでくださいね」



話が終わり、愛川の病室に入ると、そこには静かに寝ている愛川がいた。