あふれるほどの愛を


二人だけになった病室。

すごく静かだった。

あたしの左横には女の人が棚におっかかりながら寝ていた。

そのカッコ辛くないのかな?

美香さんって言うんだって。

さっき看護師さんに名前なんて言うんですかと聞いたらなんで?見たいな顔をしていたけど教えてくれた。

「ありがと、美香さん…」

「いーえ!」

そんな声と一緒に美香さんは目を開けた。

「起きてて?!」

「さっき起きたのよ。よかった、目が覚めて」

「本当にありがとうございました」

「お礼はいいのよ。だってあたしたち初対面じゃないでしょ?覚えてないかな優心ちゃん」

「えっ…」

あたしと美香さんが初対面じゃないってことは前にあってるってこと?

分からないや。

こんな美人のおねーさんだったら覚えてるはずなんだけど。

「分かんないか。一回しか話したことないもんね」

その瞬間美香さんは二コリっと笑顔になった。

そしてこう言ったんだ。

「この笑顔誰かに似てない?」

思いだした。

このキラキラとした笑顔。

あたしの大好きだった笑顔とすごく似てる、、、、

「愛華のお姉さん!!」

「そう。もうとっくに忘れてるかと思った」

「や、やめて!!!」

とっさに出たコトバ。