あふれるほどの愛を


だって、そこに映るのは自分でも大丈夫?って突っこみたいくらい、真っ青なあたしの顔。

「ね?こんなんじゃ家にも帰れないんじゃない?」

そう、周りに聞こえないようにあたしの耳元でつぶやく女の人。

「あたし、訳ありで一人で来たんですよ。少し休んで帰ります」

こんなの嘘だけど。
家なんか帰りたくもない。

「病院行った方がいいんじゃないかしら?連れて行こうか?」

「いえ、だいじょいたっーー」

大丈夫ですと言おうとしたのにその瞬間お腹に鋭い痛みを感じて。

痛みがするところを抑えて小さく丸まる。

「だから言ったのに!あたしに捕まって」

そういった瞬間、あたしの体が宙を浮く。

「きゃ、ちょ、なにしてんですか??」

「少し黙って!病院行くよ!」

「ちょ、や、やだ!」

行きたくない!と言いたいのに痛みのせいでそんな大声出せない。

「車に着いたから。病院いくからね!」

「やめて。あたし病院には行かない!心配してくれる人なんか居ないんだから」

少し痛みが安らいだ瞬間を利用しそういった。

「痛いの我慢する気?
私に任せなさいよ。初対面だけどあなたは悪い子じゃないわ」

寝ている体制から起き上がろうとした時、目の前が急に真っ暗になって…

「大丈夫!?」

そんな焦っている女の人の声を聞いた次の瞬間、


あたしの意識はそこで途切れた。