side優心
「オレンジジュースください!」
「どうぞ」
オレンジジュースもらい、ソファーに戻る。
スーパー銭湯って本当にすごいね。
ゲームセンターだってあるし、小さなカラオケだってある。
せっかくだから、カラオケやコインゲームもした。
楽しかったけど、心の寂しさは埋まることはなくて。
でも、そんな気持ちを隠すように遊び続けた。
寝ることすらも忘れて。
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「うーん?」
重たい瞼を開けると窓から朝日が見えた。
いつの間にか寝てたんだ…
まだ時間は早かったが朝ごはんを食べるために銭湯に入ってるレストランに向かった。
目の前にはあたしの大好物のオムライスがあるのに…なぜか食べる気がしなかった。
「なんで?」
いつもは、食べたくて仕方がないのに今日はスプーンを手に取る気もしなかった。
「なんなのよ…」
あたし、今までどんなに辛いことがあっても食欲がなくなる事はなかったのに…どうして?
「どうしました?」
オムライスをいつになっても口にしないあたしを不思議に思ったのかさっき、オムライスを持って来てくれた30代くらいの女の人が話しかけて来た。
「あ、なんか食べる気がしなくて。オムライス大好きなのに」
「無理して食べなくてもいいですよ。残して大丈夫です」
「でも、」
それはいくらなんでも悪いでしょ。
「大丈夫ですって」
そう言うと女の人はお店の奥へ行ってしまった。
少しだけでもって、 スプーンを手にとって食べて見たんだけど一口食べてやめてしまった。
「よかったら、これどうぞ」
いつの間にさっきの女の人があたしの隣にいて紙袋をあたしに差し出していた。
「これは?」
「おにぎりが入ってます。よかったらどうぞ」
「そんなの悪いですよ!あたしは大丈夫ですから」
「そんな事言われてもほっとけるわけないじゃないですか。顔色悪いですよ?」
自分で鏡を取り出して見てみるとあたしは目を見開いた。

