「そんなこと言わないで。
優心ちゃんたぶん戸惑ってるんじゃないかな?」
「戸惑ってる?」
「そう。だって自分を裏切った親友が今さら話しかけてきて。あたしだったら何にも手に着かないだろうな~。だから家を飛び出した。1人で考える時間がほしかったんじゃないかなってさ」
俺は麻衣ちゃんの話を頷きながら聞く。
「でも、考えても答えが出ないときだってある。これ以上優心ちゃんを1人にしたらやばいと思う」
「ヤバイって?」
「なにも分からなくなって自暴自棄になっちゃうかも。自分を裏切った親友だよ?どんな理由があったとしても許せないし、また仲良くするなんて考えられないでしょ。そんな答えの見えないことを悩んでてもいつかは逃げたくなっちゃうでしょ。早く優心ちゃん見つけなきゃ」
「え?」
「春樹くんだったら分かるでしょ?優心ちゃんは悩みを誰にも相談しないで1人でため込む子じゃない。このまま1人にしといたら大変な事になる。優心ちゃんを救えるのはたった一人春樹君だけ」
「俺?」
「春樹くん意外誰がいるのよ!」
「俺じゃ…無理だよ」
「あれ?今日はやけに弱気なんだ」
「愛川に助けてやる!とかカッコイイこと言ったけどほんとにそれができるのかなって。ほんと不安でっ」
俺は唇を噛み、拳を作る。

