朝のSHRが終わり、優斗が教科書と筆箱を持って俺の席に来た。
「1時間目音楽。ほら行くぞ。」
「まだ早くない?」
時計を見ると、まだ15分もある。
なのに、優斗は行くぞと、無理やり俺の腕を引っ張って教室を出た。
「おい、優斗痛い。」
「我慢しろよ」
六組の前を通りかかった時タイミングよく、愛川が出てきた。
腕を引っ張られてる俺は話しかける余裕もなくて…。
愛川を見てる事しかできなかった。
でも、愛川はうつむいて居たから、だから気付かなかった。
――――――――愛川が今にも泣きそうな顔をしてたなんて………―――――。

