side優心
海から帰って来てからは魂が抜けた様な生活を送っていた。
「今さらなんなのよ!あたしの事散々傷つけたくせに!!」
最近この言葉ばっかり口にしてる気がする。
目をつぶる度にあの人の顔が浮かんでくる。
あたしと遊んでいてニコニコと笑うあの子の顔。
そう、親友の顔が思い浮かぶんだ。
「もうっ!」
そばにあったクッションをドアに向かって思いっきり投げつけた。
あの人とはもう友達じゃない。
あたしが裏切った時からあの人はもう他人。
もう合わないって思ってったのに…なんで海なんかで…。
あの人のせいで楽しい海が台無しになったんだから!!!
人の事裏切っといて今さら何なのよ…
―――ガチャ
ノックなしにドアが開いた。
「ちょ、ノックぐらいして「おねーちゃん?」
あたしがノックぐらいしてよ!と言おうとしたのにその声は亮によって遮られた。

