ドアを叩くが返事はない。
本当にいんのかな、とも思ったが優斗がいるって言ってたもんな。
なんとか、部屋に入った俺は愛川に何があったのかを聞くことにした。
いつもなら、無理に話さなくてもいいって言ってたけど、今日は聞かなきゃと思ったんだ。
だから、愛川の話を聞いた。
俺は話を聞いて理解ができた。
愛川が家族を嫌がる気持ち。
友達を作らない理由。
あんなことがあったなんて。
愛川の言う親友はさっき海であった奴か。
俺は愛川を救いたい。
何があっても、助けたいんだ。
そう思ってたら、勝手に口が動いていた。
【俺がお前を照らしてやる、大きな愛で】
信じることがどんだけいいことか、友達が居るだけでどんだけ世界が変わるか、愛川に知って欲しい。
愛川が抱えてるものは大きい。
でも、覚悟しとけよ?
絶対に大きな愛で照らすからな。
そう、心に誓った。
次の日、愛川の目にはクマが出来てた。
化粧で隠してたけど、俺にはバレバレだし。
朝はバイキングだったけど、なにも話さないで、声をかけても頷くだけで食欲もなさそうだった。
だって、オレンジしか食べてなかったし。
なれもそうか。
いきなり自分を裏切った親友が目の前に現れたら誰でも動揺すると思う。
それから、愛川の態度は変わらず、さらに周りをキョロキョロ見る愛川。
親友がいるかもって警戒心があるんだろうな。
牧田さんと話してる愛川もどこか消えそうだった。

