キーンコーンカーンーコーン――――

チャイムと同時に、席に着いた。

周りでは、

「おはよう」

という言葉が飛びかかっている。

でもその言葉が、あたしにかけられることはない。


だってあたしには友達なんていないんだから。

もうあの日は、思い出したくもない……

あの日に、あたしの心も、本当の姿も捨ててきたんだから、、、



あたしは、

愛川 優心という。

4月に入学したばっかりの高校1年生。

家族は、父、母、弟の亮(小学3年)そしてあたし。

あたしは、母に似ていて、パッチリ二重で、鼻は高い。でも背が低いことがコンプレックスだ。だって身長150しかない。背の順だと、いっつも1番目か2番目のどっちかだ。
高校でだって、2番目だし…。


あたしの家族は、

昔は、仲の良くて近所でも有名だったけど、今は違う。

昔とは、真逆だ。

あたしは愛川という名字が大嫌い。

あたしの家には、愛なんかはない。

……違うか。

あたしだけ愛されてないだけなんだけど……。

だからあたしはわざわざ朝早くに家を出るのだ。

あんな家には、居たくはないから。

そんなあたしは、高校に入って誰とも関わろうとはしなかった。

ずっと1人…

どうしてだろうね……?

学校には、たくさん人がいるのに、100人200人っていう何百人ていう生徒がいるのに、

あたしは、ひとりぼっち……。

って感じるんだ。

あたしは家に居ても、学校に居ても自分の居場所ない。

でも、あたしはひとりでも大丈夫。

そう心に、決めながら

先生の話を聞いていた。