その時、あたしは思った。
「あたしはいらない子なんだって」
でも、心のどこかで思ってた。
あの言葉は嘘なんかじゃないかって。
母と父があんなこと言うわけないって。
だって、いくらなんでも血の繋がった家族だもん。
そんなこと言うわけない。そう思ってたけど、あたしの期待は簡単に裏切られるんだ。
次の日は昨日の二人の様子はなかった。
学校に行く時にもいつものように「いってらっしゃい!」と見送ってくれたからあたしがみた昨日の光景は冗談だと思った…いや、思いたかった。
そしてそれから日が過ぎて12月の3日。
その日はあたしの14回目の誕生日。
その日はちょうど日曜日だった。
着替えてリビングに向かうといつもなら、誕生日の日は家が慌ただしいんだけど嫌なほどにシーンとしていた。
それに去年はあった輪っかとか“HAPPYBIRTHER”と書かれたものが飾ってあるのに今日はリビングにはなにもなかった。
それで、すごく嫌な予感がした。
恐る恐る「おはよ」と言ってみるが返事が返ってこない。