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あたしの家は近所でも仲いいって評判だった。
休みの日には、毎週遊園地や水族館、ショッピング、公園……
言ったら切りがないくらい。
毎日が本当に楽しくて、幸せで。
そんな日がずっと続くと思ってたんだ。
だけど、あたしが中学2年になると、夫婦の間でケンカが絶えなくなってた。
その時は原因が分からなかったんだけどね、ある日真夜中に目が覚めて水飲みに行こうとしてリビングに行ったら父と母が二人で椅子に座ってて、ドアの外でなにか話をしてた。
最初は分からなかったけど、話を聞いてるうちにあたしの事を話してるって分かった。
そしてこう言ったんだ。。
「優心さえいなくなればすべてが解決するのに」
って。
父はそんなことないだろとか言ってくれるとおもってたんだけど
「そうだな。優心が生まれてなかったら」
ってそう言ったんだ。
そう言う二人の顔にはあの夢のような日々や仲よかった家族の面影は少しもなかった。