「あのさ、一つ聞いてもいい?」
長い沈黙を破ったのは坂井だった。
「いいよ?」
「さっき、海で愛川と話してた子誰??」
そんなに遠慮しながら聞かなくてもいいのに。
「あの子は前の親友」
「そうだったのか。話聞いてもいいか?」
「え……」
それってあたしの過去を坂井に話すって言うことだよね…?
「………」
と思ったら言葉が出てこなくなってしまう。
いくら坂井でも…。
「俺は、愛川のこと全部知りたい。俺は何聞いてもお前から離れねーよ」
いつもの坂井とは違う。
いつもなら、無理には話さなくてもいいって言うはずだけど今日は、違う。
「愛川の事知って、助けたいんだよ。ゆっくりでいーから話してくれないか?」
「ふぅーーー」
ゆっくり深呼吸をすると坂井の顔を見て言った。
「分かった。全部話すよ。あたしになにがあったのか」
「うん」
「あたしの過去、どんな過去でも受け止めてくれる?」
今にも泣きそうなで、消えそうな声で言ったけど次の坂井の言葉で話そうと決意した。
「あぁ、受け止めてやる!」
また深呼吸をしてあたしは話し始めた。