あふれるほどの愛を



「こっちこっち!!」

「なんか華織っちの声聞こえない?」

「確かにするな」

「後ろ!!車!」

後ろを振り向くとそこにあったのは赤色の車。

その車の窓から顔を出しているのは華織っちだった。

「そこにいたのかぁ~」

「優心たちが来る前からいたのに、気付かないなんて」

「まさか車に乗ってたなんて。しかも車に乗ってるなんんて一言も言ってなかったじゃん!」

「そっか、でも普通分かるって思うじゃない!」

「まぁまぁ、落ち着いて!」

ケンカを止めるあたし。

「じゃ、乗って乗って」

「うわ~可愛い」

そんな声を出してしまうのも当たり前だ。

だって車の中にはたくさんのぬいぐるみがあった。

「あたしユーホーキャッチャーが趣味でさ。可愛いでしょ?」

「うん!」

「おい!愛川早く入れよ!」

「あぁ、ごめん」

坂井に言われ、車に入る。