「まだまだ行きますよ!」

―――ポーン

そんな声と同時に聞こえるシャンパンの蓋を飛ばす音。

「ジャジャーン」

坂井が持ってきたのは大きなスイカ。

坂井の顔よりはるかに大きい。

しかも、2個も。

「えーこれからスイカ割りしまーーす!」

「最初は春樹くん!」

坂井は水色のタオルで目隠しをすると、棒を持ち前へ進んでいく。

「もっと右!」

「違う!左!」

「真っ直ぐ!」

そんな声が聞こえる。

「っしゃ!!」

坂井が叩いたのはスイカじゃなくて砂浜。

「ちょっと!!スイカにも当たってないじゃん!」

華織っちの声で坂井は目隠しを取り、「くそっ!」とこぶしを作った。


「春樹!俺に任せろ!」

今度は長瀬くん!

長瀬くんは何とかスイカに当てることはできたが、端のほうでヒビすらも入ってなかった。

それからも…スイカ割りは続いたが、一向にスイカは二つに割れなくって…

「はい、優心ちゃんの番」

あたしの番になってしまった。