あふれるほどの愛を




あたしたちは、今職員室の前に居る。

ドアをノックしようとしても、紙を持ってるから、両手がふさがっていてノックできない。
そしたら、隣に居た坂井が、

―――コンコン

と、叩いた。

坂井だって両手がふさがってんのに、膝を使って器用に、ドアをノックした。
そして、ドアを開け、

「「失礼します。」」

二人の声が、重なった。

「村田先生いますか?」

「うーん、まだ来てないかな?」

「そうです…「おぉ!愛川!どうした?」

そうですか。と言おうとしたのに誰かの声でさえぎられた。

後ろを振り向くと、そこには、今来たばかりであろう、村田が立っていた。

「どうしたじゃない!先生これ!!昨日の紙!!!」

「あぁ、ちゃんとやってくれたのか!ありがとな、おつかれ~」

「なにがやってくれたのかだよ!昨日だけじゃ終わらなかったんだから!」

「だから、こんな早く居るのか」

村田は時計を見て、納得したかのように、うんうんと頷いた。

「あれ?お前は確か3組の坂井…だったよな?」

村田はあたしの後ろに居た坂井に気付き、声を掛けた。


「そうですけど…よく俺の名前知ってるんですね。
あっ!なんでお前が居るんだみたいな顔してますね。愛川の手伝いしてたんですよ。」

坂井は村田のほうを見てニッコリと言った。

「そりゃ、お前の事体育で見てるからな。そうだったのか。わざわざおありがとな。」

「にしても、多かったっすよ。紙の量。あんな数愛川1人でなんてできるわけないじゃないっすか。大変でしたよ、ものすごく。」

「そーか。坂井が手伝ってくれて助かったよ。」

「まぁいいですけど。おかげで、いろいろ知れたんで。」

あたしの隣に居た坂井が意味分からない発言した。

「それってそういうこと?」と聞こうとしたが坂井の声で言えなかった。

「もうそれはいいですから、ごほうびとかないんですか?俺たち、放課後も、朝も学校で先生の手伝いしたんですよ?ごほうびくらいくれても罰なんて当たらないと思うんですけど?」


村田のほうを真っ直ぐ見ながら坂井は言った。