「坂井!部屋に戻ったんじゃないの?」

「やっぱ、愛川が心配でよ。ほらこれ」

俺が飲み物を渡すと目を輝かせて受け取る。

「ありがと!もう一回飲めるなんて…幸せ。しかもお風呂上がりに」

俺が買ってきたのは、フルーツジュース。

そうそう。俺がトランプで負けて二人に奢ったフルーツジュース。

バイキングの後美味しそうにこのジュースを飲む愛川をみて本当に好きなんだなと思ったんだ。

だからさっき急いで買ってきたんだ。

「喜んでもらえてうれしいよ」

「ほんとにありがと!!」

「いーえ。じゃ、部屋戻るぞ?」

部屋に向かって歩こうとしたら「待って!!」と愛川に止められた。

「どーした?」

「あ…いや。部屋帰りたくないな~って」

「え?」

愛川が言った言葉に俺はびっくりする。

「いや、なんでもないや。部屋行こ行こ!!」

そう言って俺から離れようとする愛川。

そんな愛川を止める。

「よし!どっか行くか!」

そう言ってガーデンに愛川を連れて行った。