「ねー坂井もこっち来なよ!」
愛川に呼ばれて、俺も水際まで行く。
「夜の海もキレイだなぁ~ね?坂井」
「そうだな。それに貸し切りだしな」
「ほんとだ~ね!浜辺に落書きしない?」
「え?」
「やろうよ!この枝で」
そう言う愛川はもうすでに枝を2個持っていて。
ってか、そんなの何処から持ってきたんだよ。
やる気のない俺に比べて愛川はやる気満々で。
愛川はもうすでに枝で文字を書き始めていた。
愛川が最初に書いたのは“つ”。
つ?から始まる言葉か…
つばさ、つくしとか?
どんどん文字を書いていく愛川。
「ちょっと坂井!手伝わないなら海で遊んでて!」
「は?意味分かんないんだけど」
「じろじろ見られててもやりにくいんだけど」
「あ、そういうこと。じゃちょっと海のほうで遊んでくるわ」
愛川から少し離れたところの水際でパシャパシャしてる。
なんでこんなことしてんだか。
「さーかーい!!!きていーよ!!」
そんな愛川の声が聞こえて俺は走って愛川の呼ぶところへ向かう。
「ジャジャーン」
愛川の指差すほうを見るとそこには…
“連れてきてくれてありがとう☆やっぱり来てよかった
坂井ありがとう”
そう書かれてあった。